無精子症の治療

(精子がいない方)


「子宝はり」の日本ハリセンターへようこそ


  ー視床下部-下垂体の改革ー  

生殖中枢の役割

  本社と工場  
会社によっては、本社の事務、企画、立案などの機能と生産ラインを必要とする工場を分離して稼動している会社も多く見られます。少なくとも、下垂体-睾丸に関してはこのようなシステムで稼動していると見られます。
  サイレントカンパニー   

 

 



視床下部-下垂体の改革

 

不妊治療に関しては、男女を問わずこの視床下部-下垂体の部分が不妊治療の本社入り口とお考え下さい。これから始まる無精子症や男性不妊治療において、さまざまな症状、ホルモン濃度、治療エリアでかかわりを持つ事になります。

 

   ◇ 視床下部(Hypothalamus)の働き
 

中枢神経系から受け取ったさまざまな情報を下垂体に情報伝播する経路です。視床下部は下垂体前葉(血液を介して)と後葉(神経軸索)の二種類の経路を持っています。人間の情緒活動や自律神経系の食べ物の消化、睡眠など意志とは無関係に働く機能の中枢、様々な内分泌系のコントロールを行う中心母体的な役割エリア、身体のホメオスターシスの調節など関与しています。 視床下部の調整機能には

(1)摂食・飲水調節(Food and water intake): 視床下部には摂食中枢があり、視床下部外側には空腹中枢、内側視床下部には満腹中枢があります。これらの中枢は血中グルコースやアミノ酸などに反応すると考えられており、食事をとることによって満腹中枢が刺激されると満腹感が生じ、摂食をやめると考えられています。最近はレプチン(Leptin)という物質が脂肪細胞から分泌され、満腹中枢に作用して摂食をコントロールしていると考えられています。

(2)体温調節中枢があり、体温をコントロールするサーモスタットで。震えをおこさせたり、血管を収縮させたり、拡張させる。また、温度情報を大脳につたえ、服を着たりぬいだり、日かげに身をかくすなどの行動をします。 前視床下部には温熱中枢、後視床下部には寒冷中枢があります。

(3)情動(emotion):視床下部は怒り、恐怖、喜びなどの情動の発現に関与しています。恐れや興奮は信号になって、視床下部につたえられる。それが引き金となって、心拍数がふえ、呼吸がはやくなり、瞳孔が広がって、血流量がふえる。また、血糖値や体の水分量を監視して、食欲や喉(のど)の渇きを調節し、睡眠や性行動の調節もする。

(4)ホルモン分泌(hormone secretion) 視床下部は下垂体、腎臓、生殖系、乳腺、妊娠出産などの機能を調節するホルモン

 

  ◇ 視床下部の分泌ホルモン 
 

CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)下垂体からのACTH分泌を刺激する

GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)

GIH(成長ホルモン抑制ホルモン)

GnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)

PRF(プロラクチン放出因子)  PIF(プロラクチン抑制因子)

VIPがプロラクチンの生理学的な放出に重要な因子であるかどうかは不明

ドパミンはプロラクチンの主たる調節因子で,合成と放出を抑制する。

TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)・・・PRLとも関わるSS(ソマトスタチン)GHとTSHの合成と分泌に抑制的に作用する。

 

  ◇ 視床下部による制御 
 

視床下部の放出ホルモンや抑制ホルモンは,下垂体門脈系を経て下垂体前葉に達すると細胞膜表面の特異的レセプターと結合して,下垂体ホルモンを体循環に放出したり抑制したりしながら一連の代謝を司る。これまでに生理学的に重要な視床下部神経ホルモンが6種類同定されている。生体アミンであるドパミン以外は全て小分子ペプチドである。これら神経ホルモンの中には,視床下部だけでなく末梢組織でも産生されるものがあり,特に消化管ではパラクリン系としても機能している。これらの神経ホルモンは1種類以上の下垂体ホルモンの分泌を調節していると考えられているが,その効果は特異的である。下垂体前葉ホルモンの多くは視床下部からの分泌刺激調節を受けている。プロラクチンだけは主に分泌抑制調節を受けている(後述参照)。

 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)は甲状腺刺激ホルモン(TSH)とプロラクチンの合成と分泌を刺激する。TRHによるプロラクチンの放出が生理的かどうかは不明である。TRHがGHの合成と分泌を刺激している可能性のある病態が存在する。

 ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は,黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)としても知られており,生理的にも,または外因性にパルス的に投与されても,LHとFSHの分泌を刺激する。GnRHが外因性に持続注入されると,始めのうちはLHとFSHの分泌を刺激するが,すぐにGnRHレセプターのダウンレギュレーションが起こり分泌は抑制される。この観察が,「医学上の去勢」が正当化される場合に臨床上有用な長時間作用型GnRHアゴニストの臨床開発につながった。前立腺癌がある男性の男性ホルモン抑制,子宮内膜症や子宮平滑筋腫がある女性の卵巣からのステロイドホルモン分泌抑制や,真性思春期早発症がある小児の性腺ステロイドホルモン抑制に,GnRHアナログは有効である。ある状況下では,GnRHのパルス的投与がプロラクチン分泌を刺激することもある。

 ソマトスタチンはGHとTSHの合成と分泌に抑制的に作用する。GHの分泌は成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)によって刺激され,ソマトスタチンによって抑制されるが,GH産生量はこの2つのホルモンの相対的強度に依存する。ソマトスタチンはインスリン分泌も抑制する。

 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)は,下垂体からのACTH分泌を刺激する(後述参照)。

 ドパミンはプロラクチンの主たる調節因子で,その合成と放出を抑制する。下垂体と視床下部を連絡する下垂体茎を切断すると,プロラクチン分泌は亢進するが,他の全ての下垂体前葉ホルモンの分泌は低下する。ある状況下では,ドパミンがLH,FSHとTSHの分泌を抑制することもある。

 血管作動性腸管ペプチド(VIP)は視床下部のニューロン中にも存在し,in vivoおよびin vitroのいずれでもプロラクチンの放出を刺激する。TRHと同様に,VIPがプロラクチンの生理学的な放出に重要な因子であるかどうかは不明である。

 新生物,脳炎や炎症病変などをはじめとした視床下部病変の多くは,視床下部からの神経ホルモンの分泌に影響を与え,その結果下垂体機能にも影響を及ぼすことがある。このような病変で生じる臨床症候群は,下垂体ホルモン欠乏症として発現される。神経ホルモンの多くは視床下部の異なった部位で産生されるため,ある疾患において1つか2つのホルモンだけが影響を受けることもある。例えば,カルマン症候群では視床下部性GnRH欠乏による性腺機能低下を来す。しかし,視床下部病変は全ての神経ホルモンの分泌低下をもたらすため,(ドパミン分泌低下による)高プロラクチン血症や乳汁分泌を伴う二次性汎下垂体機能低下症が惹起されることがある。視床下部病変はまた,神経ホルモン分泌過剰を引き起こすこともあり,このことが思春期早発症やクッシング症候群などの原因となることもある

 

  ◇  視床下部の疾病 
 

原発性としてはカルマン症候群、フレーリヒ症候群、ローレンスムーンビードル症候群、キアリフロンメル症候群、アルゴンツデルカスティーユ症候群、神経因性食欲不振症、体重減少性無月経などがあげられる。

  カルマン症候群は無嗅覚症を合併する遺伝性疾患であり、視床下部におけるゴナドトロピン産出の低下、全身奇形を伴う症候群である。 フレーリヒ症候群は女性型の肥満、性器の発育障害を2主徴とする症候群であり、視床下部に器質性疾患をもつ。

  ローレンスムーンビードル症候群は肥満、網膜色素変性、多指症、合指症、生成ん機能障害、家族内発症を6主徴とする疾患であり、低身長、視神経萎縮、片側腎欠損、難聴、夜盲、尿毒症、精神障害を伴うこともある。

  キアリフロンメル症候群は妊娠・授乳に関連して起こる視床下部性高プロラクチン血症である。アルゴンツデルカスティーユ症候群は妊娠、授乳に無関係におこり、トルコ鞍にも異常がない視床下部性高プロラクチン血症である。

 

  ◇ 下垂体の働き 
   下垂体は脳の真ん中から垂れ下がっている小さな器官ですが、 成長と発育に必要な蛋白ホルモンを合成,分泌して,標的内分泌腺を刺激し他のホルモン分泌を調節したり、尿量を調節するなど非常に重要な役割を果たしています。

下垂体前葉

ホルモン

 

 

 

 

 

○身体の成長の大部分はソマトメジンCを介してなされ,その合成はGHによって調節される。

○ソマトメジンC→肝臓が主な供給源である。

○GHの合成と分泌は,主にGHRHが促進し主にソマトスタチンが抑制する

○単鎖ペプチドで,胎盤ホルモンでヒト絨毛性ソマトマンモトロピン(ヒト胎盤性ラクトゲン)

 

成長ホルモン

(GH)

PRLとも少し構造が類似している。

○タンパク質合成の促進

○成長ホルモンのレベルは年齢とともに低下する

○骨の成長促進

○コルチゾール,エピネフリンやグルカゴンとともに,GHは中枢神経系のためにグルコース濃度を維持し,代替代謝燃料として脂肪動員を行う。

○血糖上昇作用○ソマトメジン産生促進○睡眠時に著明に上昇プロラクチン(PRL)

○TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)もプロラクチン産生に関わっている

○乳汁産生分泌

○妊娠中の下垂体の大きさが妊娠中に約2倍になるのはプロラクチン産生細胞の過形成と肥大による

プロラクチン(PRL)

○プロラクチンの分泌増加はストレスでも性行為でも生じる。

○ラクトトロフ(プロラクチン産生細胞)は下垂体前葉細胞の約30%を占めている。

○視床下部による管理を受ける(PRF PIF)

○人間以外の哺乳動物では、PRLの上昇は母性本能を高める

TSH 甲状腺刺激ホルモン(TSH)別紙掲載
副腎皮質ホルモン 糖質コルチコイドの分泌 別紙掲載
ゴナドトロピン性腺刺激ホルモン

 

女・・・・卵胞刺激ホルモン→卵の成熟、エストロゲン

女・・・・黄体形成ホルモン→黄体形成、排卵、PRG分泌

男・・・・精子形成ホルモン→精子形成

男・・・・間質細胞刺激ホルモン→男性ホルモン

○副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)はコルチコトロピンとしても知られ,39個のアミノ酸からなる単鎖ポリペプチドである。その生物活性部位はN末端の20個のアミノ酸にある。CRHがACTH分泌刺激を基本的に司っており,ACTHは副腎皮質からのコルチゾールやある種の弱い男性ホルモン分泌を刺激している。  プロオピオメラノコルチコトロピン(POMC)を共通の前駆物質とするペプチドホルモンとして,ACTH,βリポトロピン(βLPH),αおよびβメラニン細胞刺激ホルモン(MSH),エンケファリンとエンドルフィンがある。POMCは下垂体前葉や,下垂体中葉に由来する細胞,視床下部に存在するが,POMCの存在部位により酵素による形成過程が異なるために,種々の活性ホルモンが形成されてくる。したがって,下垂体前葉で合成される主なホルモンはACTHとβLPH(αLPHとβエンドルフィンの前駆体としてごく少量)である。中葉に由来する細胞でこれらのホルモンは切断されて,βLPHからαLPHとβエンドルフィンが,ACTHからコルチコトロピン様中葉ペプチド(ACTHの18~39に相当)とα-MSH(ACTHの1~13に相当)がつくられる。さらに中葉細胞によるPOMC産生は主にドパミンとセロトニンによる調節を受けているが,前葉ではCRHが重要な調節因子である。POMCとMSHは皮膚の過剰な色素沈着の原因となりうるが,ACTHが異常高値を示す疾患(すなわち,アジソン病およびネルソン症候群)でのみ臨床的に重要となる。エンケファリンとエンドルフィンは内因性オピオイド物質と考えられており,中枢神経系のあらゆるオピオイドレセプターと結合して活性化する。
○下垂体性糖蛋白ホルモン――甲状腺刺激ホルモン(TSH),黄体形成ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH)――および胎盤ホルモンであるヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)は,αサブユニット(全て同一)とβサブユニット(各々異なる)で構成されている。※LHとFSHの合成と分泌は,視床下部神経ホルモンであるGnRH(LHRH)だけが刺激し,エストロゲンが抑制する可能性がある。女性では,LHとFSHは卵胞の発育と排卵に必要である。男性では,FSHはセルトリ細胞に作用し,精子の形成に必須であり,LHは精巣のライディッヒ細胞に作用してテストステロン生合成を刺激する。

◇ 下垂体後葉

ホルモン

 ◇ 下垂体後葉ホルモン下垂体後葉ホルモン

◯バゾプレシン(抗利尿ホルモン)(ADH)

○視床下部のコントロールをうけている脳下垂体ホルモンである

○腎臓集合管で水の再吸収促進作用  分泌増加→水再吸収増加→尿量減少  分泌低下→水再吸収低下→尿量増加○血圧上昇作用(血管収縮作用)

○血漿浸透圧の変化により(発汗・飲水)  高浸透圧(発汗)→分泌亢進  低浸透圧(飲水)→分泌抑制

◯オキシトシン

○視床下部のコントロールをうけている脳下垂体ホルモンである

○子宮収縮作用

○乳腺に作用して乳汁排出促進○射乳作用(授乳時の乳頭吸引により分泌増加)

 

下垂体後葉機能

 下垂体後葉は抗利尿ホルモン(ADH,バソプレシン)とオキシトンを分泌する。この2つのホルモンは9個のアミノ酸からなるペプチドで,視床下部の視索上核と室傍核にある別々の細胞で合成される。これらのペプチドはより高分子の蛋白前躯体として合成され,ニューロフィジンという担体蛋白に結合したまま軸策を下行し,下垂体後葉終末の分泌顆粒に貯蔵される。神経インパルスを受けて分泌されたADHとオキシトンは,直ちにニューロフィジンから分離し,その血中半減期は約10分と非常に短い。ニューロフィジンの生理的作用は不明である。  ADHとオキシトンは,第20染色体上で互いに付近に位置する単一コピー遺伝子によりコードされる蛋白前躯体を経て合成される。ADHのプロホルモンはプロプレソフィジンあるいはバソプレシンニューロフィジンIIとしても知られ,アミノ末端のシグナルペプチド,バソプレシン,それと関連したニューロフィジン,およびカルボキシ末端のコペプチンとして知られる糖化ペプチドの順に構成された4部分からなる。オキシトシンのプロホルモンも類似の構造をしているが,コペプチン部分を欠き,1つのヒスチジン残基で終わる点が異なる。おそらく,プロホルモンが神経分泌顆粒内の蛋白分解酵素によって切断されることにより,活性ホルモンと個々のニューロフィジンが生じるものと思われる。  ADHの主な作用は腎臓での水分保持促進である。高濃度では血管収縮も引き起こす。アルドステロンと同様に,ADHは体液ホメオスタシスと血管や細胞の水分保持に重要な役割を果たしている。ADHの主な分泌刺激は,視床下部浸透圧受容器で感知される体液浸透圧の上昇である。左心房,肺静脈,頸動脈洞,大動脈弓にある圧受容体で感知される血液量の減少情報は,ADH分泌にとって2番目に重要な刺激である。血液量の減少のシグナルは迷走神経と舌咽神経を経て中枢神経系に伝達される。この他にADH分泌を刺激するものに,疼痛,ストレス,運動,低血糖,コリン作動性物質,β遮断薬,アンギオテンシン,プロスタグランジンなどがある。アルコール,α遮断薬,グルココルチコイドなどはADH分泌を抑制する。  尿崩症は,ADH欠損(中枢性尿崩症)またはADHに対する腎臓の正常反応の欠如(腎性尿崩症)の結果として生じる。下垂体を切除しても恒久的な尿崩症になるとは限らないのは,ADHを含有するニューロンの神経終末の多くが視床下部正中隆起にあり,機能が維持されるからである。機能的なバソプレシンを含有するニューロンがごく少数あれば,尿崩症は防止できる。  オキシトシンの主な標的組織は,乳腺胞周囲の乳腺筋上皮細胞と,子宮平滑筋の2つである。吸乳刺激で分泌されたオキシトシンは乳腺筋上皮細胞の収縮をもたらし,乳汁が胞から大きな洞へと運ばれて放出される(授乳時の「催乳反射」)。オキシトシンは子宮平滑筋細胞の収縮を刺激する。妊娠中,子宮のオキシトシンに対する感受性は亢進しているが,分娩中に血漿オキシトシン濃度が急激に増加することはない。陣痛開始時のオキシトシンの役割は不明である。男性ではオキシトシン分泌を促す刺激は認められていない。

 

  ◇ 下垂体の病気
 

下垂体の代表的な病気

下垂体腫瘍

末端肥大症

クッシング病

プロラクチノーマ

視床下部・下垂体機能低下症

尿崩症

ADH不適合分泌症候群(SIADH)・低Na血症

 

   ◇ 視床下部の内分泌機能

 

脳下垂体からでるホルモンを調節している。オキシトシンとバソプレシン(抗利尿ホルモン)は、視床下部のコントロールをうけている脳下垂体ホルモンである。オキシトシンは出産妊娠と出産)のときにを収縮させる。また、出産を開始させ、維持させるのにも関係している。授乳は、これが刺激となって乳首から視床下部へむかう神経経路をつたわり、オキシトシン分泌の引き金となる。こうして分泌されたオキシトシンの刺激で、乳房から乳児へながれでる母乳の量がふえる。また、赤ちゃんの泣き声もオキシトシンを分泌させる。これは、視床下部が脳のほかの部分とつながっていることをしめしている。バソプレシンというホルモンは腎臓にはたらいて、から再吸収される水の量をふやす。こうして体内の水分量がたもたれる。視床下部が、血液がこいと感じると、脳下垂体を刺激して、バソプレシンをもっとつくらせる。血液がうすいと、脳下垂体に命令して、バソプレシンの放出量を少なくさせる。 視床下部のある部分は、体のサーカディアンリズム(日内リズム)の調節にかかわっている。サーカディアンリズムは、日照時間と暗い時間の周期に関連していて、このため24時間の間に血液中のホルモン濃度が上下する。たとえば、血糖値をあげる作用がある副腎皮質ホルモンの濃度は、朝の目ざめの直前にきまって高くなる。これは、一晩ねむっている間は食べたりのんだりしないため、覚醒直後は血糖値がさがって有害作用があらわれる可能性があるためである。 下垂体はもはや「内分泌中枢」とは考えられていない。視床下部がCNS(中枢神経系)の全ての情報を受け取り,下垂体へと伝達する最終の共通 経路である。  視床下部は下垂体前葉と後葉の活性を2つの異なった経路で調節する。視床下部で合成された神経ホルモンが下垂体門脈系を経て直接下垂体前葉(腺下垂体)に達し,下垂体前葉の6つの主要なペプチドホルモンの合成と分泌を調節する。ついで下垂体ホルモンが成長や乳汁分泌をはじめとする末梢ホルモン(甲状腺,副腎,性腺)を調節する。視床下部と下垂体前葉との間に直接的な神経支配はない。一方,下垂体後葉(神経下垂体)は視床下部にある神経細胞軸索よりなる。視床下部で合成され,末梢における体液バランス,乳汁分泌,子宮収縮を調節する2種のペプチドホルモンの貯蔵部位として,この軸索は機能している。下垂体前葉と後葉の間にある中葉は,いくつかの動物やヒトの胎生期には存在するが,成人では中葉細胞は下垂体前葉と後葉に散在し,特定の中葉としては認められない。  実際には視床下部と下垂体で産生されるホルモンは全て,活性期と不活性期を短期間に繰り返しながら,拍動的または爆発的に分泌されている。また,一部のホルモン(例,副腎皮質刺激ホルモン[ACTH],成長ホルモン[GH],プロラクチン)は,1日のある時間帯に分泌が増加するという24時間周期,すなわちホルモン分泌の日内変動を示す。月経期間中の黄体形成ホルモン[LH]と卵胞刺激ホルモン[FSH]は,明らかに1カ月周期に24時間周期が重ね合わされている。

 


 このページで重要な事は

゜生殖エリアの改善を計るうえで、下垂体を既存のカテゴリーで理解をはかるのは当たり前かもしれませんが、此処及び間脳-視床下部、上位中枢を介する別の回路もあるのではないかと考えます。日常行う臨床で、特に無月経症に関しては、この部位より上位に「プログラム変更センター?」か何らかの既存のルール以外の畦道が考えられます。何年も苦しんだ無月経症が改善されるはずがないのですが、生理の復活以上に妊娠・出産領域まで非科学的治療で改善が計れる(年齢的な環境制限あり)事もございます。現状のホメオスタシス的な「体と脳」の均衡機能も大切なものに思います。一日も早い、「体と脳」を結ぶ高速道路を発見したいものです。