無精子症の治療

(精子がいない方)


「子宝はり」の日本ハリセンターへようこそ


  ー 受診者の治療マニール ー  
  治療環境の確認と整備  

 ここでは無精子症と診断を受けた現在の患者さまの状況から今後の治療に取り組みむにあたって幾つかの必要な条件を確認の上治療について検討していただく機会を設けさせていただきました。  

 無精子症の宣告は突然に予期せぬままにやってきます。そして、言われるがままに精巣生検(TESE)などの処置が始まり、科学的確認や医学的状況を把握しないままあれよあれよと言う間に結果が告げられるような、あわただしい日々に我を忘れて翻弄されてしまう事も少なくないといわれます。これからは一つ一つを丁寧に、我を忘れず状況を確認しつつ医師に言われるがままの対応ではなく、患者様の参加できる医療環境で治療を行いましょう。

 今まで無精子症治療で行なった検査や診断や処置などの確認や不足な部分の穴埋めなどから今後の無精子症治療に於ける取り組みで無駄や遠回りをせずに充実した無精子症治療ができるよう役立てればと考えます。

  今後の医療に役立てよう  

 

 

 


初めての患者さまの環境の確認と整備
何度も精巣生検を行なえない  精巣生検(TESE)の履歴のあるなしにかかわらず、今後挙児を希望するのであれば何らかの医療処置や行動を起こす必要があります。治療経験を生かして臨床に臨んではいかがでしょうか。より詳しい情報や過去の経験から得られた情報を踏まえてお考え下さい。
あわてずに冷静な行動  無精子症と病院で診断されると、その場で精巣生検(TESE)の予約に入ります。精密に無精子症を分析することなく「切ってみましょう」の一言で医療がすすめられます。こんなときこそ冷静な対応を考えましょう
情報の正確さの確認  インターネットや様々な情報から医療選択がなされますが、心配やご不安があれば、質問や無料相談などを利用なさる事がよいと存じます。インターネットなどの情報は正しく理解できるかとの不安やAさんが受診したB施設で結果が良くてもCさんがB施設で結果が出るかは判りません。自分を失わずにすすめてください。
今後どうしたいか?ご夫婦で考えましょう 情報の少ない中でご夫婦の考えをまとめるのはとても難しい事ですが、進むべき道は一つしかありませんが、選択肢は多くあります迷いながらも一つの方向だけでもお決めになる事も必要です。
妻も当事者です 無精子症で精子や細胞が採取されれば、次は顕微受精になります。妻の卵巣から採卵して受精卵をつくる方向になります。協力し合ってがんばりましょう。
医療のすすめ方 無精子症治療は精子の存在いかんによります。精子が存在する可能性があればまずは切らずに射精精子を探しましょう。精巣生検(TESE)は後でもできます。ここが出発点になります。
医療施設の選択方法 ◎切るか切らないかのどちらか?になります。
○切ってみる・・症例数、成果、麻酔方法、地域性、経済性などを検討
○切らないで・・科学的環境下で精子をつくる治療をすすめましょう
時間を使い冷静にご判断する事が大切です。何年もお考えになりそれから行動される方もおられます

 

 

 

治療経験のある患者さまの環境の確認と整備
何度も精巣生検を行なえない  精巣生検(TESE)の履歴のあるなしにかかわらず、今後挙児を希望するのであれば何らかの医療処置や行動を起こす必要があります。治療経験を生かして臨床に臨んではいかがでしょうか。より詳しい情報や過去の経験から得られた情報を踏まえてお考え下さい。
無精子原因と対応  無精子症の診断→精巣生検(TESE)のケースがほとんどです。無精子症の内容を詳しく確認してみましょう
治療歴と今後の選択  精巣生検(TESE)やPESAなど複数回実施している方などは、結果を残すための思考判断のできる医療下での治療も試みてはいかがですか
麻酔と心の問題 精巣生検(TESE)経験者の多くが言う言葉の初めは、「切った痛さが頭から離れない!!」が第一声です。切る事の恐怖感と一定期間の激痛での生活の体験を二度としたくないという気持ちから、精巣生検(TESE)からの逃避をお考えになられるようです。もちろん、精子の採取が第一番なのですが、心情はこの部分になっております
睾丸の能力 睾丸では一夜にして精子はできません。1人1人お顔が違うように睾丸も姿や形そして能力にもさがございます。睾丸の能力を変えることが新たな道の開拓につながります
無精子症のレベルと今後 二度三度と失敗せず、精査と処置を考えましょう
妻のコンディション 顕微受精などを何回も経験すると、誘発剤や色々な投薬から機能低下や生理不順などを引き起こす事もございます。夫優先の治療ですが、授かる妻側の環境も配慮いたしましょう
今までの資料 不妊治療を行う上では科学的資料が非常に貴重になります。一般の病院などでは何の検査を行うかすらわからない病院もございます。過去の科学的姿から今後の取り組みに何が必要か、何を変えればいいのか大切な情報を生かしましょう
同じ過ちを繰り返さない 不妊治療の中でも非常に難しく、専門性の高い分野です


閉塞性無精子症(NOA)

 

 


無精子症治療を行う前に 
 思考を変えてみませんか
精子形成から精子生存に関しては既存の泌尿器科医療システムでは確認できない精子生存維持機能が存在すると思います。それらのファクターや神経内分泌や活性酵素など様々な協力体により個性をもった精子が生まれ育つことと思います。未知の部分が多く存在し科学的な解明が非常に多い分野であることを忘れずに臨床を進めて頂ければと思います。これからも臨床を通じて男性不妊症の科学的解明や先端医療下での鍼治療を進めていく予定です。最近では精巣特異的細胞質ポリ(A)ポリメラーゼTPAPによる精子形成調節やセプチンによる精子無力症などの精子に関する解明が一つ一つすすんでおりますが、これからも精子に関する研究が脳や分子レベルから解明が進むものと思います。医師の診断レベルにとらわれずより科学的観点からの積極的な臨床アプローチを考えております。  男性不妊症にはさまざまなタイプがあります。それは発生原因、発生時期、疾病の成り立ち、疾病の経緯、疾病の病的状態などを現在の時点からプレイバックしてその過去を探すことでさまざまな病的論点や今後の医療における「根拠や証拠」を掴むことができます。一人一人違った不妊環境を正常な領域や完治状態に導く治療を行うには「特定な状態」をつくること、すなわち、過去や現状のより多くの情報から男性不妊のどの程度でどのクラスでどんな予後になるかを見極めて多数の臨床症例などから一人の患者様を成功に導く治療台の構築すなわち一人一人違った「特定な状態」をつくることが非常に大切なことと思います。たとえば無精子症患者様の精巣生検は何度も何度も経験するものではありません。患者様には可能な限り最短距離の道への誘導が大切かと思います。それにはどうすればよいか?現代医学では切って見なければわからない!と言います。切る前に全ての準備をし結果によりさまざまな進路も考える事が大切ではないかと思います。  ハリセンターで行われている男性不妊治療は、数多くの個人資料からさまざまな臨床方針や臨床、臨床結果と日常患者様と接して行われるさりげない日々の会話からとても大切なヒントや大きな結果も頂いております。鍼治療においては、東洋医学的観点から「証」といい患者様の体質や現在の病状などを分析してつぼを決め鍼治療を行うわけですが、この男性不妊に関しては東洋医学的な文献や資料並びに治療を行った事すら存在しておりません。ですから初診患者様に対しては、現実的な医学環境で徹底した過去分析、化学的分析、男性性器の分析などを行い、東洋医学的「証」に充当できる治療形態を取らせて頂いております。  無精子治療に関する現代医学の対応は無精子が確認されれば直ぐに精巣生検になり抽出した精子による顕微受精になります。ここで、精子や精子細胞が確認されなければご夫婦の挙児はあきらめなければなりません。当センターでは無精子状態を様々な化学的検査や徹底した分析と臨床においては個々の無精子環境を改善して少しでも多くの精子の生成・抽出を行い、精巣生検(TESE)を行わない顕微受精下での妊娠を求めて臨床を行っております。精巣生検(TESE)で細胞も確認されなかった患者様の再チャレンジも含め、結果を残す為の科学的鍼治療を進めております
あわてずに冷静な行動を・・・・・いきなり睾丸を切らないで!! 
無精子症と診断されて、精巣生検(睾丸にメスを入れ精子を確認する)に取り掛かる場合その後の臨床を考えると場合によりただメスをいれ痛い思いをして検査のみだったとしたらとても不自然な医療と言わざるをえないし短絡的な医療対応としか思えません。精巣生検で精子の確認を行い精子が存在していれば顕微授精(TESE-ICSIを行うという形が一般的ですが、比較的簡単な無精子症であっても精子抽出には大変低い確立ですし精巣生検は麻酔方法により大変な激痛に耐えなければなりません。患者様の苦痛を極力軽減しながら最小回数の精巣生検で結果を得て全てが終了するよう心掛けるのも大切なことと存じますが、さまざまな検査や当センターで精子を創る、細胞を育てるハリ治療を試みてからでも遅くないと思います。治療で射精精液中に一匹でも精子の生存があれば辛い思いをせずにICSIなどでの妊娠も可能になります。もし精巣生検を実施するとしたら、精巣生検の際精子が0匹だった場合それ以後も妊娠を求められるバイオプシーが可能な医療施設を選択することもご一考下さい。大学の男性不妊専門や泌尿器科では精子の確認のみでART(生殖補助医療)は行いません。ただ睾丸を切って確認するだけの医療です。またTESE、MESAを表示している婦人科でも精巣生検で精子がいないとそれで医療が終わりのところがほとんどですので事前に事を検討し慎重に進めましょう。ここ五年の間に精巣生検で切った切り口がガン化して悪性腫瘍の手術を行った例を六件確認しております。  当センターの無精子外来患者様の約7割の方は精巣生検(TESE)を経験してから(来院以前に精子抽出OPEを実施して精子を確認できなかった方)来院しております。残り3割の患者様は第一次的無精子症診断後精巣生検をせずに当センターで精子造精治療を行ってから希望する医療機関で精巣生検を行い顕微授精を行う方法をおとりのようです。何度も何度もTESEを行う事より精子を創る、細胞を育てること優先し次にTESE医療を進めてはいかがでしょうか。
睾丸を切ってしまった方へのアドバイス

一度ならず二度、三度と精巣生検(TESE)を行い、何とか精子や細胞の抽出をめざしてかんばられている姿に敬服いたします。何とかして挙児を叶えたい一心での気持ちの表れと存じます。精巣生検の方法や技術差などからもしかして精子が?と考えながら精巣生検に取り組んだものと思います。しかし、抽出精子が無ければどこかで同じ事の反復は終了して、睾丸の環境を変えることをお考えいただければと思います。当センター来院の無精子症患者様の7割の方は、すでに精巣生検(TESE)を実施してからご来院になられております。1番多く精巣生検(TESE)を実施している方は5回それぞれ違った大学で実施しており結果に恵まれずご来院したケースもございます。精巣生検(TESE)を実施して結果が得られなかった方々は、必死な思いでの治療になります。今までの精巣生検(TESE)やその時の科学的データを分析して、同様な結果にならないよう工夫や対策を考えることがたいせつです。

①過去の精巣生検(TESE)時のデータについての確認  

1)精巣生検(TESE)前の一般検査での異常の有無  

2)精巣生検(TESE)前の精液検査の回数  

3)下垂体や睾丸のホルモンデータ 

4)触診や睾丸診察時のデータ 

5)染色体検査の有無  

6)手術方法(TESE、MD-TESE)と切開部位  

7)麻酔方法(全身、局所、腰椎) 

8)精巣生検(TESE)の結果詳細についての説明  

9)精巣生検(TESE)後の諸症状について 

10)精巣生検(TESE)時何か問題点は無かったか?

②正確な診断のもとで医療を受けましょう。  

1)このエリアの技術者は少ない 

2)体外受精専門医=男性不妊専門医にあらず 

3)泌尿器科医=男性不妊専門医にあらず 

4)精巣生検(TESE)技術には格差があります 

5)科学的検査に基ずく治療方針をたてましょう 

6)染色体検査は必ず受けましょう 

7)複数回のホルモン濃度のチェックをしましょう 

8)触診は大切な診断方法です 

9)精液検査のみの無精子症診断は危険です 

10)精子や精子細胞について検討できることが大切です 

11)オペ前には遠心分離を行い精子の確認をすること 

12)遠心分離で精子抽出できれば精巣生検(TESE)なし 

13)先端医療下での生殖補助技術(ART)を受けましょう 

14)医療相談や専門分野の悩み事は専門医と 

15)「言葉遣い」と「こころ」に温度差があるイシも多い

③治療中の科学的変化を大切に考えましょう。  

1)一般血液検査結果の動態に注意  

2)触診で得た資料の変化を追跡する 

3)下垂体や睾丸のホルモン濃度の変化に注意  

4)その他④無精子症には深くて広い無精子の世界があります。

④無精子症には深くて広い無精子の世界があります。

1)閉塞性、非閉塞性の分類以外に発生機序からも無精子診断を 

2)科学的変化は睾丸の変化につながります

冷静な行動と科学的判断
医療機器には、必ず説明書に医療機器の取り扱い方と禁忌事項が書かれております。その中には必ず睾丸に使用しないようになどの注意書きをよく見ます。睾丸は睾丸の疾病以外「子供を作る宝」としてやや聖域かかった取り扱いが日本人にはありました。今から思えば睾丸を切るなんてとんでもない聖域あらしにしか思えません。科学の発達とともに「理解度」の高まりから、純粋に人のためになるなら睾丸の内容を変えようと考えても罰(ばち)はあたらないかな???と思います。

今後の事も考えましょう