婦人科での男性不妊因子検査

目でみてわかる男性不妊症

精液検査

下記は精液検査の検査項目です。

〔Count Summary〕　Volume　・・・・・・・・・・・・精液量　Total Count　・・・・・・・・・・測定した精子の数　Total Concetration 　・・・・・・精子濃度　Total Sample　・・・・・・・・・総精子数　Motile Count　・・・・・・・・・・運動している精子数　Motile Percent 　・・・・・・・全精子中の運動精子数の割合（％）　Motile Concentration　・・・・・・運動精子濃度〔Progressive Sperm〕・・・・・・・・・良好精子　　　※良好精子とは、スピードが25micron/Sec以上で直線性が80％　　　　以上の両方の条件を兼ね備えている精子のこと。　Progressive Count　・・・・・・良好精子の数（個）　Progressive Percent　・・・・運動精子中の良好精子の割合（％）　Progressive Concentration　・・良好精子の濃度　Progressive Sample　・・・・・・・・総良好精子数　〔Movement Characteristics〕　Path Velocity (VAP)　・・・・精子進行方向性速度の平均値（HZ）　　Progressive Velocity (VSL)　・精子直線地点移動速度の平均値（HZ）　rack Speed (VCL)　・・・・精子曲線地点移動速度の平均値（HZ）　Lateral Amplitude (ALH)　・・・精子頭部の平均振幅値　　Beat Frequency (BCF)　・・・・精子頭部が１秒間に振る回数　　Linearity (LIN)　・・・・・・・・精子の直線性の平均値〔Velocity Distribusion〕　Rapid sperm　・・・・・・２５（HZ）以上の速度で動いている精子　Medium Sperm　・・・・・５～２５（HZ）の間で動いている精子　Slow Sperm　・・・・・・０以上５（HZ）の間で動いている精子　Static Sperm　・・・・・・動いていない精子

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　世界保健機構(WHO)精液検査の正常参考値

　精液量・・・・・・1.5(ml)以上
　精子濃度・・・1500万(匹/ml)以上
　運動率・・・・・・・・45(%)以上
　高速運動率・・・・・・25(%)以上
　正常形態率・・・・・30(%)以上
　白血球数・・・・・100万/ml以下
　PH・・・・・・・・7.2～7.8
　精子生存率・・・・・・75%以上

　　　婦人科における精液検査の検査方法は様々です。

ケース①

顕微鏡で精子が確認されればOKな施設

ケース②

女性不妊治療をしてみて妊娠しない場合簡単な精液検査

ケース③

人工受精を5回以上してみての結果で精子検査をする施設

ケース④

2～3項目(精子濃度、運動率)程度の精液検査

ケース⑤

世界基準レベルの検査を行う施設

ケース⑥

上記の細部にわたる精液精査を実施する施設

　※「精液検査実施済み」と言っても内容に不具合や検査不足もあります。ご注意を　　　　　　　

クルーガーテスト

精子画像として確認するテストです。尾部欠損やミトコンドリア部の肥厚など画像から鮮明に確認できるとともに正確に良質精子や不動精子の鑑別に役立ちます。

目に見えない男性不妊症

ホルモン検査

LH.、FSH.、PRL、ジヒドロテストステロン、テストステロン
抗精子抗体価、下垂体ホルモンバランス

STD・・・・・クラミジア、梅毒、淋病、 HIV、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、軟性下疳等
その他・・・常染色体検査、Ｙ染色体一部欠損、メトピロン検査、泌尿器検査

婦人科における男性不妊検査は、精液検査のみがほとんどです。初期の判断が後々複雑な不妊環境になるため、本来は女性不妊同等の検査体制が必要です。

触診による病的疾患の確認

睾丸サイズ、睾丸硬度、陰嚢表皮、睾丸の位置、睾丸の下垂具合
精索静脈瘤、停留睾丸、尿道下裂、陰嚢水腫、

中枢性疾患の確認

妊娠を阻害する
PCOS
PRF
VIP
DOPA
TRH
経口誘発剤の一部

泌尿器科系疾患の確認

停留睾丸、前立腺炎、腎機能障害、前立腺障害、ムンブス、両側精巣上体炎、
特発性造精機能障害、両側精管狭窄、精嚢部狭窄、睾丸部アトピー性皮膚炎、
悪性腫瘍術後、睾丸損傷、陰嚢水腫、ベロニ―

自己免疫疾患

突発性無精子症、バセドウ病、橋本病、クローン病、潰瘍性大腸炎、ヤング病
自己免疫性膵炎、自己免疫性肝炎、ギランバレー症候群、Ig-G4関連疾患

精子に影響を及ぼす

痛風、LDL値、高脂血症、下垂体疾患

精液検査やクルーガーテストなどは見方がわかれば男性不妊と判りますが、それ以外の精子に係わる因子についてはわかりにくいものです。この初期の精液検査だけではない、総合的な男性不妊診断は今後のご夫婦を左右する大切な検査だとお考えください。